ロボット通信Vol.142 ー ビジョンティーチングの落とし穴とその対策 ー
2023.08.08
弊社で定期発行しておりますロボット通信についてご紹介いたします。
このロボット通信はメールマガジン登録を頂いているお客様や以前に名刺交換をさせていただいたお客様へ
配信させていただいております。
ロボットに関する様々な情報を発信しており多くのお客様にご愛読いただいております!
今回の内容は・・・
「ロボットビジョンを活用したティーチングの注意点」
今月のトピックス:ロボットビジョンを活用したティーチングの注意点
今回のロボット通信では、特に導入が進んでいるロボットビジョンを活用したロボットシステムへのティーチングの注意点を
ご案内いたします。
産業用ロボットに対象物を確認する目の役割を持たせることができるロボットビジョンは、ティーチングを含めた取り扱いが
容易であることをメリットとしているメーカーも多いですが、以下の2つの重要なポイントを理解しておかなければ、
多額の投資をしたシステムが全く機能しないことになります。
ロボットビジョンティーチングの重要なポイントは「 撮像環境 」と「 カメラのパラメータ設定 」の2つです。
ロボットビジョンは撮像時の照度が設定時と大きく変化した場合、対応できないものがほとんどです。
そのため、撮像時の照度を一定にしなければ安定して対象物を認識できません。
つまり、朝日・西日等の外乱光によって照度が大きく変わることを避け、カメラ用の照明で常に一定の照度を保つことが重要です。
もう1つのカメラのパラメータ設定とは、メーカーにより多少異なりますが、露光時間・画像サイズ・ゲイン・キャリブレーション等を
あらかじめ対象物に対して設定することです。
この数値が誤っていると、「 ワークがあるのに存在しないと検出してしまう 」、「 安定して検出しない 」、
「 ワークのOK・NGを誤検出してしまう 」といった事態を招きます。
このようなことから、ロボットビジョンを活用したティーチングはビジョンに関する専門知識が必要な作業となります。
「 ビジョンシステムを立ち上げたがうまく動作しない 」「 最近ビジョンシステムの調子が悪い 」といった方は
産業用・協働ロボット一筋の弊社にお問合せ下さい。
熟練の技術者がFANUC製ロボットビジョンの作業改善にご協力いたします。
ばら積みピッキング 改善例(ビジョンメーカー:FANUC)
Before
パラメータ設定がうまくできておらず、ワークをほとんど検知できていない
After
パラメータ設定を変更した結果、大幅に改善
2Dビジョン外観(欠け)検査 改善例(ビジョンメーカー:FANUC)
Before
外乱光や背景色の影響によってワークをうまく捉えられていない
After
設備全体に遮光板と照明を設置し、さらにパラメータ設定を変更した結果、大幅に改善