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ファナック製ロボットのグリス交換の方法・手順と鉄粉濃度測定の重要性について

2023.04.06

ファナック製ロボットのグリス交換の方法・手順と鉄粉濃度測定の重要性について | 株式会社TECHNO REACH

目次  

 1. 産業用ロボットにおけるグリス交換の必要性について

 2. 減速機グリス交換の作業手順

 3. 鉄粉濃度測定とその基準値について

 4. まとめ

1. 産業用ロボットにおけるグリス交換の必要性について

 近年、労働人口の減少や働き方改革の推進により、以前と比較しても多くの製造ラインで、

 高速で安定した生産を行える産業用ロボットを活用した生産システムを導入されております。

  

 ただ産業用ロボットはモーターや減速機等の消耗部品の集合体といえますので、安定した生産を行う為には、

 定期的なメンテナンスや点検が不可欠となります。

 実際にどの産業用ロボットメーカーも取扱説明書や保守説明書に、

 外観の損傷確認やモーターからの異音・発熱・振動の有無の確認等、毎日実施するべき日常点検から

 

 1か月に1度、1年に1度実施するべき点検内容まで明記されております。

 中でも一般的に3~4年に1度の周期で実施するべき減速機グリスの交換は特に重要なメンテナンスとなります。

 それはロボット用減速機が一般的に15~25万円程度の高額部品であり、

 納期に1~2か月程度かかってしまうからです。

 ですのでもし減速機が原因で急にロボットが故障した場合、

 高額な修理費用とライン復旧に1か月以上の時間がかかる場合があります。

 

 このことから減速機の故障は、産業用ロボットを取り扱う上で最も避けるべきであり、

 その為に一番効果的な作業が減速機グリス交換となります。

 定期的に減速機グリスを交換することにより、モーターや減速機への余分な負担を軽減させることができ、

 減速機の寿命を延命させることができるようになります。

ファナック製ロボットのグリス交換の方法・手順と鉄粉濃度測定の重要性について | 株式会社TECHNO REACH

 

 実際に定期的に実施している場合、10年近く減速機が故障しなかったというケースもございます。

 このことから減速機グリス交換は産業用ロボットを取り扱う上で、必ず必要な作業であるといえます。

 

2. 減速機グリス交換の作業手順

 上述にて減速機グリス交換の作業の必要性をお話させて頂きましたので、ここからは実際の作業手順をご紹介したいと思います。

 あくまでも一部の機種の例ではありますが、ファナック製のロボットのJ1、J2、J3軸のグリス交換の場合は

 

  グリス交換作業手順 

 手順① 作業の安全確保の為、ロボットの電源を遮断します。

 

 手順② 排脂口といわれるグリス排出用に取り付けられているプラグを外します。

 

 手順③ 給脂口から新しいグリスを給脂し、排脂口から押し出されてくるグリスが新しいグリスになるまで給脂します。

     ※給脂量はロボットの機種ごと及び各軸ごとに基準量が定められております。

 手順④ グリスバス内の残圧を抜く為、ロボット本体になじみ運転動作を実施します。

     ※残圧を規定通り抜かなかった場合、グリスバスの内圧の急激な上昇により、シールが破壊され

      グリス漏れや動作不良が発生する場合があります。

 手順⑤ 給脂口及び排脂口にプラグを取り付けます。

 となります。

 

 作業項目を見ると難易度が低いように見えますが、作業手順・給脂量・残圧抜き等において正しい手順・規定量を守らなければ、

 即ロボットが故障に至るケースもある為、正しい技術と知識と身に着けることが必要な作業となります。

3. 鉄粉濃度測定とその基準値について

 上述のグリス交換作業の際に是非合わせて実施頂きたいことが、鉄粉濃度測定となります。

 

 ロボット本体のモーターと減速機を潤滑に動作させるためのグリスは、

 酸化やギアの摩耗による鉄粉の混入などにより、劣化していきます。

 鉄粉濃度測定とは、専用の測定器を使って減速機グリスの中にどれだけ鉄粉が含まれているのかを測定することで、

 

 減速機がどれだけ摩耗・劣化しているのか数値的に把握できる診断作業となります。


 これにより摩耗の度合いを把握できるため、減速機が急に故障する前に対処することが可能となり、安定した生産を実現に繋がります。

 その測定の基準値はファナック製ロボットの場合は以下の通りとなります。

  鉄粉濃度数値の基準 

 異常状態 0.100%以上

 このような状態だった場合、ベアリングの内輪及び外輪などにフレッキングの可能性があります。

 注意状態 0.051~0.099%

 このような状態だった場合、ベアリングの内輪及び外輪のはめあい部の変形や摩耗の可能性があります。

 正常状態 0.050%以下

 このような状態であれば異常ありません。

ファナック製ロボットのグリス交換の方法・手順と鉄粉濃度測定の重要性について | 株式会社TECHNO REACH

 

 ただこちらも機種や状況により異なりますので、あくまでも指標の一つとなります。

4. まとめ

 このように産業用ロボットを活用したシステムの安定した生産には、定期的なメンテナンスは欠かせません。

 中でも、減速機グリス交換は重要な作業に一つであり、費用対効果も出やすい作業となります。

 ただこの作業を行う為にはグリスポンプなどの機材購入に30万円程度が必要で、

 

 1台当たりの作業に機種によっては5時間程度必要となるケースもございます。

 これらのことから自社の保全担当者様だけで完結させるのではなく、

 アウトソーシングされるケースも増えております。

 

 産業用ロボットの修理・メンテナンスを40年以上実施してきた弊社では

 ファナック製ロボットのグリス交換から点検作業、モーター交換まで代行させて頂きます。

 お困りの方はお気軽にご相談ください。

  これまでのファナック製ロボットのメンテナンス実績はこちら!

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